投資の観点を技術に向けて考えてみる。インテルの株価や技術動向を考察。
資産から見る会社の強み
みなさまは事業を開発するにあたって、何を考えますでしょうか?
例えば、
「〇〇という業界に〇〇という切り口で新規参入する」
という事業があったとします。
もちろん、「どこの地域でやる」という観点もあるかと思います。
そうやって企業は新しいことにチャレンジし、業績を伸ばし、
応援する投資家が増えることで、企業の価値を高めていきます。
その中でも私が事業開発として重要な観点として見るところは、
「資産を如何に活用するか」
です。
仮に資産を Asset という変数で表すとすると、
売上は、
売上 = α x Asset + β
という構造になります。
つまり、すでにある資産に係数をかけたものが、売上を構成する一つになるということです。
左の式からコストを引いて、利益にした場合、
売上 - コスト = α x Asset + β
定数αは ROE (自己資本利益率) といいます。
では、その資産にはなにがあるでしょうか?
企業が持つ資産とは
よく個人が持つ資産は、
- 現金
- 株
- 不動産
- 投信
- etc
があります。楽天ポイントなどのポイントも資産と考えていいでしょう。
現金で他の資産を購入し増やすことが投資の一つといえます。
一方企業がもつ資産もほとんど変わりませんが、上記に加えて、
- 技術
があります。
つまり企業は技術をどう活かすかによって売上を伸ばす活動をします。
会社の初期は現金を技術に変える動きをします。
上記より、
この企業がどういう技術を保有しているかという観点で投資をすることは有効であるといえます。
技術の分類
企業が保有する技術はその性質により下記に分類されます
- 短期的な回収力は高いがコモデティ化しやすい、ローリスクローリターンな技術
- 短期的な回収力は低いが唯一無二の技術となる可能性がある、ハイリスクハイリターンな技術
一つ目はプログラミング技術や印刷技術等、いわゆる職人芸的なものがそれにあたります。
当然クオリティの高い技術を保有している場合は、よりレバレッジが効きます。
しかし、競合に勝つためには熟練させる期間が必要となります。
二つ目は特許を取得するような研究技術がそれにあたります。
特許を取得することで、それに関わる技術製品・サービスが独占となり、
市場が大きくなる = 自社が大きくなる
という構図になります。
代替手段等が生まれることがリスクとなります。
いきなり二つ目を目指すよりも、
一つ目を長期的に行い、結果的に二つ目の技術ができるというケースが多いです。
インテルにみる技術動向
今回は特にインテルを例に株価と技術の動きを見ていこうと思います。
有名な法則に、
「ムーアの法則」
というものがあります。
それは、「18ヶ月で半導体の集積度が二倍になる」という法則です。
そして、それに従い事実集積度は指数関数的に増大しております。
こちらの記事によると、インテルはこれまでにイノベーションを6回行っています。
また、下記が株価となります。
株価とイノベーションを比較すると、
最後のNANDが生まれて以降ゆるゆると増加して
1995年 - 2000年 に高騰しました。
この時になにがあったかというと、
ITバブルの開始です。
つまりコンピュータ需要が増大したタイミングで、
インテルも合わせて大きくなったことが伺えます。
このように、独自の技術というのは市場に認められるには時間がかかりますが、
一方で需要が大きくなった瞬間、高騰していきます。
また、インテルは、
第七のイノベーションである、
「3Dクロスポイント」という技術を2015年に発表しました。
これがさらにIoTに活用されると一気に高騰することが予想されます。
まとめ
まずは、企業の売上を上げるためには資産が必要。
その資産の中でも技術という観点で見る。
また、その資産がどのタイミングで利用されるかを予想する。
こういった分析をすることで、
技術をベースにした分析ができるかと思います。